おいしいダシの取り方を今一度科学的に考えて見ましょう
※このページは節辰商店が昭和62年に作成した小冊子「おいしいダシの取り方を今一度科学的に考えてみましょう」から転載しています。
目次
全文 | はじめに | だしの種類 | 使用する水の量 | だしの取り方 | 緩衝作用と相乗効果 |だしの使用量 |
蒸発 | 天然調味料と化学調味料の違い | 附記 きしめん・味噌煮込みの調理法 | 参考文献 |
天然調味料と化学調味料の違い
天然だしは主成分の外に、大変多くの微量な旨味成分が含まれ、複雑な味が有ります。量が少なくても、多種の旨味成分は、だしの味全体に対して大きな働きをしております。
味覚は大変デリケートで天然の味のわかる人には化学調味料だけでは物足りなく、かつ香りもありません。
化学調味料は大変デリケートで、天然の味のわかる人には化学調味料だけでは物足りなく、かつ香りもありません。
化学調味料は天然だしの補助成分としてご使用いただき、材料の持ち味と旨味を消さない程度にご使用ください。多量に使用しますと甘味を感じ、かえっていや味として感じる場合があります。長く煮ると、分解して味がまずくなるとも言われております。
「味覚官能テストをしてみると、ある強い味をなめさせたその後しばらくはほかの味を感じなくなる。また混ぜられた味の中である特定の味が強いと、今後はほかの薄い味が舌に感じにくい。つまり化学調味料がどんな食品にも使われていて、それが強く舌に感じると舌はいつも化学調味料の味ばかり感じることになる。そしてほかの味を感じ覚えるときがなくなるので、科学調味料以外の味はおいしいと感じなくなる。つまり味覚にとっては大きなマイナスである」(食品大事典より)