おいしいダシの取り方を今一度科学的に考えて見ましょう
※このページは節辰商店が昭和62年に作成した小冊子「おいしいダシの取り方を今一度科学的に考えてみましょう」から転載しています。
目次
全文 | はじめに | だしの種類 | 使用する水の量 | だしの取り方 | 緩衝作用と相乗効果 |だしの使用量 |
蒸発 | 天然調味料と化学調味料の違い | 附記 きしめん・味噌煮込みの調理法 | 参考文献 |
蒸発
だしをとる時は、一般的に言って水分が蒸発しますのでダシが濃く感ぜられます。時間が長くなると色も自然に濃く出ますが。シブ味も出てまいります。苦味(シブ味臭、特有のなまぐさみ)については、官能上の判定ですからハッキリいえませんが、少なくとも厚削りの場合、20分以上になると感じるようになります。
しかし、エキスとして苦みは初めから流出しており、この苦味も好ましい美味しさを出す上で「おし味」「こく味」としての働きをしている訳で、全然ないと駄目です。これが化学調味料と本質的に違うところであります。
容器(平釜寸胴)の蒸発面積によって異なりますので一概に言えませんが、何時も同じ濃度(だし)にする事で、毎日同じ味が出せると思います。
つけ汁(辛汁)は東京のそば屋さんの「かえし」を利用されるのが一番良いと思います。