開発事例 価格競争からの脱却へ。惣菜メーカー向け『野菜の水煮用つゆ』

※この事例は顧客情報への配慮から、一部のディテイルを変更して紹介しています。

イントロダクション

「価格競争に巻き込まれない、独自性のある商品を開発したい」。近年、食品メーカー、惣菜メーカーからはこのような問い合わせを頂くことが増えています。しかし、差別化の切り口を見つけることが難しいのも正直なところだと思います。惣菜メーカー向け『野菜の水煮用つゆ』は「香り」を切り口に商品の付加価値を育てた事例です。

お悩み ―価格競争だけには巻き込まれたくなかったのだが…

その惣菜メーカーは中堅規模ながらさまざまな商品を生産しています。中でも百貨店やスーパーの惣菜コーナーや弁当コーナーで使われる野菜の水煮を得意としていました。しかし、近年は同業他社の売り込みが激しくなっており、防戦一方の形勢を強いられていました。特に海外工場を持つ大手メーカーとの戦いにおいては圧倒的な価格差があり、価格に見合う価値を提供しなければ早晩売り場から追い出されてしまうという危機感を感じていました。

きっかけ ―意外なところから解決のアイデアがもたらせる

しかし、野菜の水煮のレトルトは商品が世に出て半世紀の歴史がある商品です。独自性があるものと言っても難しい。特殊な野菜を使った商品の開発も検討しましたが、やはり売れるのはタケノコやレンコンなどの定番商品なのです。と困っていたところ、もともと削り節などで取引のある節辰商店とお話しする機会がありました。節辰商店の提案は調味液を変えることでした。

解決策 ―だしの香りをキワ立たせる

節辰商店からの提案は「だしの香りをキワ立たせること」。削り節だけではなく、めんつゆ・液体だしも生産する節辰商店にはだしの香りを飛ばさないノウハウがありました。また、量販店との取引に当たって求められる品質(安全性)についても、各種の細菌検査を行える節辰商店研究室とISO9001認証取得の生産体制により、不安を感じることは有りませんでした。

その後 ―価格ではなく、付加価値で勝負する

商品はバイヤー―そして、その先にいる消費者―に好評価を持って受けいられました。また、差別化された商品を武器に新規の取引先をいくつか獲得することができました。この惣菜メーカーの開発担当者は語ります。「われわれくらいの規模のメーカーは価格競争をいかにさけるかを徹底的に考えるべきです。探し続ければアイデアは必ず見つかります」。