地元産品をつかったオリジナルふりかけが定番商品になったお土産物店。

※この事例は顧客情報への配慮から、一部のディテイルを変更して紹介しています。

 

イントロダクション

いわゆる定番と呼ばれるお土産があります。そういった商品は高い利益率とロングセラーが期待され、経営の安定と継続が盤石のものとなります。しかし、それ以外のお土産はどうでしょう。駅を、空港を、高速道路を通るたびおびただしい正しい数の新商品に圧倒されます。それは下手をすれば量販店の棚を巡る大手メーカー同士の競争よりも激しいのではないでしょうか?地域産品をうまく利用した商品を定番商品に育て上げた企画会社の事例を紹介します。

 

お悩み ―ファーストフード化するお土産物売り場

この沿線のお土産物屋がまるで大手スーパーのようになったのはいつ頃のことだったのでしょうか。この企業は昔は地場のメーカーとして、ドライブインや道の駅の一角を―エンドや下段でなかったとはいえ―しっかりと確保していました。それがいつの頃から商品が追い出されるようになっていったのです。今までこの企業は(地場の小規模メーカーでは珍しくないのですが)営業も新商品開発も行ってきませんでした。でも、それで良かったのです。でも、大手企業が資本参加するメーカーが複数参入してくるとその競争環境もすっかり変わってしまいました。

 

きっかけ ―新商品を開発する。それもシリーズで。

企業の売り上げが伸びる時。それは企業が衰退する時と逆を考えて頂ければわかりやすいでしょう。売上を伸ばすには「新規顧客」か「新商品」のどちらかが必要です。この企業は「新商品」によって奪われた売上を回復する道を選びます。詳しくはお話しできませんが、ある名産品を使用したふりかけを開発しました。そして、この企業はその名産品を軸に商品のシリーズ化を行いました。節辰商店に依頼が来たのは、ふりかけに始まり、だしやめんつゆなどそのシリーズの多くをカバーする開発能力を持っていたからです。

 

解決策 ―レコンキスタ(失地回復)

ふりかけは導入商品として買いやすい価格に抑えたことが功を奏したのか、ヒット商品になりました。今まで取引が止まっていた売り場もいくつか回復することができました。

 

その後 ―成熟社会のその先へ

シリーズ化は順調に進んでいます。だしやつゆと言った高付加価値商品も展開を開始し、この企業は売上・利益とも回復基調にあります。かつて。定番商品と昔からのつながりで企業が安定成長できた時代。それを少し懐かしくも感じます。しかし、この国が成熟社会(踏み込んだ言い方をすると人口減少社会)になった今、どんな企業も「新規顧客」「新商品」を求められるようになりました。