沿線ナンバー1を実現したドライブ・インのうどん店。『オリジナルのつゆ』

※この事例は顧客情報への配慮から、一部のディテイルを変更して紹介しています。

イントロダクション

厨房の広さや物流面で制約があるうどん・そば店の多くは希釈タイプのめんつゆを使用していることが多いかと思います。しかし、どの会社も大手メーカーのめんつゆを使用するため、味が似通ってきてしまうという課題もあります。また希釈タイプはその商品設計をエキスや化学調味料に頼ることも多く、どうしても味が似てきてしまうと感じる方もいます。この店舗は沿線のドライブインと差別化するためにオリジナルのつゆの開発に乗り出しました。「この店があるから、ここで休憩」。そんな理想を追求しました。

 

お悩み ―小泉行政改革とドライブイン

道路公団の民営化以降、ドライブインが楽しくなりました。各地のハイウェイオアシスに至っては、それ単体で一つのアミューズメント施設として成立しているほどです。しかし、環境変化に伴いドライブインの各店舗にも変化が訪れました。人気のドライブインとそうでないドライブイン、人気の店舗とそうでない店舗の違いの明暗が分かれ始めたのです。このうどん店は残念なことに後者の店舗に属していました。

 

きっかけ ―当たり前のことを、当たり前に

別にうどんがおいしくないわけではありませんでした。これまでの水準でいえば、及第点です。しかし、特徴がないのです。この店舗では長年国内の大手メーカーのめんつゆを使っていました。10年以上前に地元の食品卸の方から勧められた商品です。また、メニューも開店当初のままでした。このドライブインに止まってまで食べたいうどん屋をいかにして作るか。店主が出した答えは「市中のうどん屋さんと同じようにその店の特色を出すことが必要」というある意味当たり前の答えでした。

 

解決策 ―意外に簡単だった差別化

店主はメニュー(メニューブック含む)の抜本的な見直し、食材すべてを見直すことにしました。つゆについては削り節からだしを引くことも考えました。しかし、厨房の広さの制約上、スタッフのスキル上それは難しいこともわかりました。やはり希釈のめんつゆに頼らざる得ない。とはいえ、オリジナルで勝負したい。そんな時に節辰商店が紹介されました。店主の希望はその地域の特色ある味で、時流の無化調になるべく近いもの。こういった依頼は節辰商店の得意分野でもありました。

 

その後 ―この店があるから寄りたいドライブイン

リニューアル後、順調にお客様が増え続けました。当時の社会実験(休日高速道路定額)の影響もあったので、ひょっとしたらほっておいても客数が増えたのかもしれません。しかし、現在のこのお店の特長はリピーターが多いことです。正しい統計がとれないのが残念ですが、店主は沿線ナンバーワンの店を作ることができたと感じているそうです。